Bartimaeus

バーティミアス サマルカンドの秘宝 ISBN:4652077351


2,000円、800ページの大物ハードカバー。ちょっと買うのに勇気がいった(笑)
いやーしかし! これは面白かった!
魔術と魔術師が支配するロンドン。 尊敬しかねる師匠に見下され、天与の才能にはとても足りない教育に鬱々として暮らす幼い新米魔術師がいた。
そんな12歳のナサニエルが、ある出来事をきっかけに師匠に隠れて齢5010歳の中級妖霊バーティミアスを召喚する。


ハリポタの対抗馬、という位置付けがされているらしいが、ピュアで一直線悪く言えば単純明快なところで飽きてしまったハリポタよりもこちらの方が好み。
ナサニエルの子供らしい野心や向こう見ずな行動、恐ろしく強力な妖霊であるはずのバーティミアスの憎めない甘さや妙な義理堅さ。 召喚し従わせる者とその契約に否応なく縛り付けられる者という微妙な関係。
加えて魅力的なのは全体を貫くテンポの良さと、見事なアクションシーンの描写だろう。
アメリカで映画化されるらしいが、さもありなん。 読んでいて妖霊達のスピーディなバトルアクションがありありと浮かぶようだった。
つまり、翻訳もまた素晴らしいということ。
「翻訳翻訳」していない、今風で自然な訳だったと思う(敵から隠す為バーティミアスにいきなり地べたに押しつけられたナサニエルのセリフが「・・・にすんだよ!!」。実に今風だ)。


まぁベタボメであるが、一つだけ難を言わせてもらえれば、
右手が筋肉痛になったかナ(笑)
こういう時にほれ、電子図書なわけですよ!!


とりあえずダンナから布教中。 三部作らしいので次が楽しみである。