内なる・・・

kashmi_r2004-06-17

何かが暴れている。 私の中に猛獣がいる。
表現しろ、書き表せと吼え猛っている。


そいつのエサは私の言葉だ。
私の中に眠っているもの、それを言葉に紡げる可能性を持つもののありかを知っているような素振りを見せ、外界にその触媒を感じると猛然と騒ぎ出すのだ。
これを食わせろ、その触媒でこの扉が開くぞ、さあキーボードを叩いて言葉を引きずり出せと。


なのにその開け方も、その触媒で本当に開くのかも、開いたところで一体その扉の内側にどんな言葉がどれだけ待っているのかも。
いやそれ以前に、私にそれを開く力があるのかも。
奴は教えてくれないのだ。


そいつは容赦なく暴れる。 時も場所も選ばず、生まれたての赤子が泣くように。
時にはその痛みに涙すら滲む。
書いても書いても満足してくれない。 もっと美味いものがあるはずだ、休むな、探せ、書けと。
くたくたになりながら無数の扉と格闘する私の後ろでなおも唸っているのだ。


これまでだって言葉遊びはしてきた。
面白い文章、強い文章が書ければ嬉しかった。 それが人に受け入れられればもっと嬉しかった。
だがこいつは、そんなものはおやつにもならないと一蹴する。


きっとこの猛獣は、目覚めてしまった私自信だ。
30年も眠っていたんだ、そりゃ腹も減っているだろう。
腹がくちくなればまたそのまま眠るのか、それとも何か新しい変化を見せるのだろうか。


願わくば、友にならんことを。