進化

突如目覚め、昼夜の別無く猛り狂っていた私の猛獣。
長い時間をかけて私のかき集める言葉をたらふく食べたそいつの瞳には、
いつのまにか仄かな知性の光が宿っていた。
琴線に触れる何かを感じる度に私に噛み付いていたそいつの口は、
いつのまにか訥々ながらも人語を話していた。


半年の格闘の末にようやく私の前に座ったそいつの毛並に、私は初めて触れた。